「もう少し給与が増えたらいいな」そう思う方がほとんどでしょう。
しかし残念ながら、給与は増えるどころか減る可能性が高いのが現状です。
さらに、仮に年収が増えても、手取りは思うように増えていきません。とはいえ、私たちの生活には何かとお金がかかります。

そこでぜひ取り組みたいのが、「お金の置き場所を変える」こと。
お金をより増えるところに置くことで、堅実に将来に備えることができます。
今回は、そのための3つのお金の置き場所をご紹介します。
「もう少し給与が増えたらいいな」そう思う方がほとんどでしょう。しかし残念ながら、給与は増えるどころか減る可能性が高いのが現状です。さらに、仮に年収が増えても、手取りは思うように増えていきません。とはいえ、私たちの生活には何かとお金がかかります。

そこでぜひ取り組みたいのが、「お金の置き場所を変える」こと。お金をより増えるところに置くことで、堅実に将来に備えることができます。
今回は、そのための3つのお金の置き場所をご紹介します。

目次

1 日本人の平均年収はなかなか上がらない...

突然ですが、日本人の平均年収はどのくらいだと思いますか? 個人では「増えた!」「減った...」といろいろだと思いますが、国税庁「民間給与実態統計調査」のデータをまとめると、次のようになっています。

●日本人の平均年収の推移(2000年〜2019年)

国税庁「民間給与実態統計調査」より筆者作成
国税庁「民間給与実態統計調査」によると、2019年の日本人の平均年収は436万円。というと、これまた「少ないな」「多い気がする」と、いろいろな感想が出てきそうですね。
2000年時点は461万円あった平均給与は年々下落し、2009年にはリーマンショックで406万円まで大きく下がりました。一方、2010年以降はやや持ち直してきて、2019年は436万円となっているわけですが、2020年は新型コロナウイルスの影響で世界的に経済が大きな打撃を受けました。2020年の平均給与は、おそらく大きく下落していることでしょう。

2 忘れてはいけない、総支給額(年収額面)と手取りは違う!

「でも、自分は年収が上がったから大丈夫」と思う方もいるかもしれません。しかし、年収が上がると、それにともなって税金や社会保険料が増えることをご存じでしょうか。
勤め先から支給される給与は、総支給額から税金や社会保険料が引かれた「手取り」の給与です。つまり、税金や社会保険料が多くなると、手取りは減ってしまうことになります。

● 年収300万円から2,000万円までの手取りはどうなる?

筆者作成
このグラフは、年収300万円から2,000万円まで10万円ずつ年収が増えると、税金・社会保険料・手取りの金額がいくら増えるのか表したグラフです。なお、計算にあたっては、
・東京都在住の会社員
・40歳独身
・所得控除は基礎控除と社会保険料控除
・社会保険料は厚生年金保険料、健康保険料、介護保険料、雇用保険料
があるものとして計算しています。
グラフ全体の高さが年収、つまり「総支給額」です。そこから税金や社会保険料が引かれて、残るのが赤色の手取りの部分です。こうしてみると、所得税(緑色)の増え方が凄いことがわかりますね。加えて、住民税や社会保険料も増えていきます。たとえ年収が上がっても、手取りは年収と同じようには増えないのです。

3 お金を増やすには「どこにお金を置くか」が重要

お金を増やすには「働いて収入を増やす」か「お金自身を働かせて増やす(資産運用する)」の2つしかありません。このうち、収入を増やすのは厳しいのですから、注目すべきはお金自身を働かせて増やすことになります。

しかし、日本人はこれまで、資産運用をあまりしてきませんでした。

● 日米の20年間の金融資産の推移

金融庁「つみたてNISA100万口座突破!」より筆者作成
上の図は、1997年から2017年までの20年間で、金融資産をどのくらい増やせたかを示したものです。日本は、確かに20年間で金融資産の残高を1.4倍に増やしています。しかし同じ期間で米国は金融資産を2.9倍に増やしているのです。

これほどまでに大きな差が生まれる理由は、どこにお金を置いているかに現れます。
この間、日本人は資産の約半分を現金・預金で持っていたのに対し、米国人は資産の半分を投資商品(株式・投資信託・債券)で持っていたのです。大手銀行の普通預金金利は年0.001%(2021年9月13日時点)。これでは、お金はほとんど増えません。しかし、資産運用をすれば、年数%ずつお金を増やせる可能性があります。

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4 より効率的にお金を増やせる「税金がお得なお金の置き場所」を活用せよ

お金はどこに置くかで増え方が異なります。これから資産運用でお金を増やしたいと思ったら、まずは投資の利益を非課税にできたり、税金そのものを安くできたりする「税金がお得なお金の置き場所」を活用しましょう。具体的には、次の3つがあります。

● 税金がお得なお金の置き場所1:一般NISA(新NISA)

一般NISA(ニーサ)は、毎年120万円(非課税投資枠)までの投資の利益にかかる税金が5年にわたって非課税にできる制度です。5年間で最大600万円分まで非課税で投資できます。

投資の利益には、本来20.315%の税金がかかります。しかし一般NISAを利用することで、この税金をゼロにできます。たとえば、仮に100万円の利益が出ていたら、本来は約20万円が税金として引かれてしまうのですが、NISAを利用すれば、その税金がゼロにできますので、100万円をそのまま受け取れるのです。

一般NISAでは、上場株式・投資信託・ETF(上場投資信託)・REIT(不動産投資信託)といった商品を購入できます。お目当ての商品があったら一括で買うこともできますし、コツコツと積立投資することもできます。売却も自由です。ただし、売却しても非課税投資枠は復活しません。また使い切らなかった非課税投資枠は翌年に持ち越すことはできません。

なお、一般NISAは2024年に「新NISA」として、制度が変わる予定です。
新NISAでは非課税投資枠が毎年122万円、5年で610万円まで非課税になります。そのうえで、非課税投資枠が1階部分(20万円)と2階部分(102万円)に分かれます。1階部分で投資できるのは、次にお話しするつみたてNISAの対象の商品です。それに対して2階部分は一般NISAと基本的に同じ(一部例外あり)となっています。

リロ・マネースクールでは新NISA制度と賢い活用術のセミナーを定期的に行なっています。より詳しく知りたくなった方は、無料で参加できますのでぜひご参加ください。
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● 税金がお得なお金の置き場所2:つみたてNISA

つみたてNISAも一般NISA・新NISA同様、投資で得られた利益が非課税にできる制度です。ただ、非課税投資枠の上限は40万円、非課税の期間は20年という違いがあります。2042年まで新規に投資が可能です。

つみたてNISAでは、金融庁の定める基準を満たした投資信託・ETF(上場投資信託)の中から選んで投資します。いずれも手数料が安く、長期間の積立・分散投資に役立つ商品となっています。全部で約200本ありますが、金融機関によって扱いのある商品は異なります。

もちろん、金融庁の基準を満たすからといって、絶対に値上がりすることが保証できるわけではありません。しかし、資産を堅実に増やしていきたいという方にはおすすめできる制度です。

● 税金がお得なお金の置き場所3:iDeCo(イデコ)

iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)は、自分で出した掛金を投資信託・定期預金・保険で運用し、その成果を原則60歳以降に受け取る商品です。公的年金(国民年金・厚生年金)の上乗せ分を自分で作れるとして近年注目が集まっています。

iDeCoのメリットは、「積立時」「運用時」「受取時」の3つのタイミングで節税できることです。

「積立時」には、毎月の掛金が全額所得控除できるため、毎年の所得税や住民税を減らすことができます。そのうえ、「運用時」には、一般NISAやつみたてNISAなどと同様、運用によって生まれた利益にかかる税金をゼロにできます。そして、「受取時」には「退職所得控除」「公的年金等控除」といった仕組みを活用できるため、税金が節約できます。

iDeCoは月5000円からスタートできます。投資できる金額の上限は、国民年金の種類や働き方や企業年金の有無などによって変わります。

リロ・マネースクールではNISAとiDeCoの比較や、非課税制度の賢い活用術セミナーを定期的に行なっています。より詳しく知りたくなった方は、無料で参加できますのでぜひご参加ください。
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5 まとめ

お金の増えるお金の置き場所として、税金が節約できる一般NISA(新NISA)・つみたてNISA・iDeCoをご紹介しました。あとは行動するのみです。収入の増えない時代にお金を増やすためにも、ぜひこれらの制度を活用してくださいね。。

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筆者紹介
よりふじ・たいき
 
頼藤太希
Money&You 代表取締役
マネーコンサルタント
中央大学客員講師
ファイナンシャルプランナー(AFP)
日本証券アナリスト協会検定会員
慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生保にて資産運用リスク管理業務に従事。
2015年に(株)Money&Youを創業し、現職。女性向けWEBメディア「FP Cafe」や「Mocha」を運営。著書は『はじめての資産運用』『1日5分で、お金持ち』『はじめてのNISA&iDeCo』など多数。twitter→@yorifujitaiki

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